不穏

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不穏 全1話 (2013年 韓国MBC)

■演出:チョン・デユン
■脚本:チョン・ヘリ、ムン・スジョン

■キャスト:
カン・ハヌル(ジュンギョン)
ソン・ビョンホ(ユ・グァンホン)
チン・テヒョン(昌原君)
ヤン・ジヌ(ジュヌ)
ソ・ヒョンジン

【あらすじ】
成宗が王の時代に起きた謎の殺人事件。
両班の妾の子であり、漢城府(ハンソンフ)官吏であるジュンギョンはこの事件を解決して護衛武官になり、“妾の子”というレッテルから抜け出そうとしていた。 捜査を進めていく中で、ジュンギョンは成宗の叔父である昌原(チャンウォン)君が犯人ではないかと予想する。しかし、思いがけない人物への嫌疑に周囲は難色を示す。 果たして、王の叔父を捕らえられる証拠は見つかるのか。 そして犯人を暴いたところで、成宗は親戚を罰することができるのだろうか?

 


 

「モンスター」というドラマでカン・ハヌルにぞっこんになった私。
韓国ミュージカル界ではすでに有名だった彼は、「花ざかりの君たちへ」、「モンスター~私だけのラブスター~」、「相続者たち」、そして春から放映の「エンジェルアイズ」とTV界でも見かけるようになりました。確かシン・ハギュンの映画にもキャスティングされたのかしら。

そんなカン・ハヌルの初主演作が、MBCのドラマフェスティバルの1話完結もの。
筋立てには、正直目新しさがなかったのですが、カン・ハヌルを堪能できます。
サスペンスフルに物語は進んでいくのですが、なんとも不条理な反転で物語は締めくくられる。
カン・ハヌルはどこか体の芯に冷えたものを抱えている俳優さんのような気がしてなりません。
どんなに熱く話していても、どんなに憤っていても、その奥底にシンとした悲しみが、冷めたまなざしがあるような気がして。
そんな一歩引いた演技が、たたずまいが好きなんです。

 

 

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庶子としての冷遇に苦しみ、権力の前で無念の死を遂げる無辜の民に心を痛め、憤り悩むジュンギョンが、新しい理想の国家を夢見てしまうのは必然でしょう。
彼の夢見る世界は、あまりにも完璧で美しく、そしてはかない。

新しい国を作ろうとする若者の話を読むたびに(観るたびに)、私は悲しみを抱きます。
理想と現実の、乖離に。

誰よりも十戒を守つた君は
誰よりも十戒を破つた君だ。

誰よりも民衆を愛した君は
誰よりも民衆を輕蔑した君だ。

誰よりも理想に燃え上つた君は
誰よりも現實を知つてゐた君だ。

君は僕等の東洋が生んだ
草花の匀のする電氣機關車だ。

芥川龍之介のこの詩は、国家を作ろうとする人間が抱える矛盾を、哀しいほどについていると思います。
この矛盾を抱えることができる人間だけが革命を起こせるのです。
理想の国を作るためには、己の手を汚さないといけない。その現実を受け入れることができない清廉で高潔なジュンギョンのいきつく先は見えています。

 

 

 

a0192209_08154308いや、むしろ彼は国を作りたかったのではなくて、父とも慕うユ・グァンホンと一緒に行きたかっただけかもしれません。
理想の国を追い求める青年というよりは、父の愛を求める青年に見えて仕方がなかったけれどもな。
自分が愛されない、必要とされないこの世界で、ジュンギョンの才能を見出し導いてくれるユ・グァンホンだけが彼の全てだったのです。

 

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腹違いに兄ジュヌの不器用な愛がもう少し速くジュンギョンに伝わればよかったのに。
彼らの兄弟愛はあまりにも不器用で、痛々しくって。

庶子というだけで冷遇され、才能を活かされない制度は、両班だけを重用する制度は血が澱むように腐っていっていることは明らかです。
権力を持てない人々がその制度に抗うためには、知識しかないのかもしれません。
知識だけが現状に対する問題点を浮き彫りにして、改善していける術なのですから。
その知識を多くの人に伝えていくこと。
それが「君が夢見る世界を作れ」ということなのでしょうか。
「根の深い木」をところどころ思い出しながら、そんなことを思います。

 

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