君の声が聞こえる

君の声が聞こえる　I Hear Your Voice　（2013年　韓国SBS）

■演出：チョ・スウォン
■脚本：パク・ヘリョン
■キャスト：
イ・ボヨン（チャン・ヘソン）
イ・ジョンソク（パク・スハ）
イ・ダヒ（ソ・ドヨン）
ユン・サンヒョン（チャ・グァンウ）

【あらすじ】
他人の心が聞こえる超能力少年がいる。10年前、交通事故に偽装した事件で父が殺害されることを目撃した以後、スハは相手の目を見ればその人の考えを読めるようになった。そして彼には捜したい初恋がある。10年間探し続けた、9歳少年に強烈なイメージの刻印を残したチャン・ヘソンだった。
再び出逢った二人だが、ヘソンは10年前とうって変わって無気力な検事となっていたのだが・・・

「君の声が聞こえる」は2013年度のダークホース的なドラマだと評価されています。ヨ・ジングの「愛してもいいですか」がポシャったあとに急遽作られたドラマ・・・らしい。
にわかごしらえのドラマにしては、テーマがぶれずに、しかも胸キュン要素満載、ってことで絶賛されている方が多いよね。
私も最初は、イ・ジョンソクのきらきらぶりに胸キュン・・・となりそうだったのですが、どうも今一つハマりきれませんでした。
どうも、視聴しているとイライラしてね・・・
いえ、きっとドラマは素敵だったんですよ。ラストも綺麗におさまって。それなのに視聴が苦痛で苦痛でたまらなかったのは、どうも納得がいかなかったの。
なんだか、あまりにも都合がよすぎて。
非常にヒロインに都合がよすぎるストーリー展開なんです。もちろん苦難が襲っては来るんですが。
ただ、スハがテレパシーでヘソンの気持ちを読みとり、いたれりつくせりなんです。
気持ちが弱っている時はフォローし、道に迷いそうな時は叱咤激励し、そしていつも彼はヌナを見守り続ける。
まるで、ピンクレディーの　♪　UFO　♪　みたいに（爆）

ものいわずに思っただけで
すぐあなたにわかってしまう
飲みたくなったらお酒
眠たくなったらベッド
次から次へと差し出すあなた

そのまんま、こんなお話のようにしか見えなくって・・・
私が恋愛ドラマで一番重要視するのは、心と心が触れあう軌跡であり奇跡なのです。
「好きになっちゃいけない」と自戒しつつ、相手の純真さに気づき、健気さに気づき、コントロールできなかった自分の恋心に、呆然としてしまう瞬間。
・・・そんな場面が観たくて、ドラマを見続けているのだろうな。
「あっ」という瞬間だから。
自分の計算や、世間体や、しがらみなどをすっとばしてわけもわからぬ感情に支配される瞬間が好き。
何もかも超越していく瞬間だから。
訳がわからないからおろおろしたり、呆然としたり、半狂乱になったりするけれども、やがて「恋に落ちた瞬間」を受け入れ、それまでの自分に決別し、新しい自分に変化していこうとする彼らが好きなのです。
そういう視点からすると「君の声が聞こえる」というドラマは物足りないの。
超能力少年が尽くしてくれる・・・というのは、もしかして世の多くの女性の理想であり、願望であるからこのドラマの人気につながったのかもしれないけれども。
そういうドキドキ感は、散々　♪　ＵＦＯ　♪　を歌ってきたので、疑似体験済みです（爆）
かといって、超能力者ゆえの悲哀も描かれていない、これっぽっちも。
筒井康隆の「七瀬ふたたび」を始めとする能力者の悲哀の物語を、こちとら散々読んできていますからね。そういう目で見るとスハの悩みなんて、ちょいと甘い気がします。
まあ、そんなこと思いながら視聴すると、どうしても辛口になってきますよね。
年下の少年の色々な顔を楽しむことは出来ますよ。
年下のくせに強引に引っ張ってくれたり、すがるような子犬のようなまなざしで見られたり。
しかし、ヒロインが彼に都合よく甘え過ぎているような、そんな気がしてなりませんでした。
・・・まあ、何より私の中ではユン・サンヒョンとイ・ジョンソクが悲劇のカップルなんです（笑）
「シークレット・ガーデン」のせいで。
だから、どうもイ・ボヨンが邪魔ものに見えてしまうという・・・
でも、面白いドラマですよ！（フォローになってない？・笑）

★★★

yuca

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

Bad Girl Good Girl・・・君の声が聞こえる2話