ハゼ・ヘンドリックスとK3RKDNSP・・・あまちゃん137~138回

a0192209_1957262「あまちゃん」137~138回。

 
アキちゃんとユイちゃんのシーンは、いつも緊張感をはらんでいる。

「そういう姿、ユイちゃんはおらに見られだぐねえはずだから。
おらも見だぐねえし。
つれえけど聞かなかったことにする」
「励まして、立ち直らせてやるのが親友でねえのか?」
「親友でも緊張感は必要だ。
ユイちゃんは常におらの先を走っててもらいでえんだ」(82回)

「緊張感」がこの2人の関係のキーワードだし、今回はからずしもアキが岩手に戻った理由はやっぱりユイの「もう行けない。怖くて行けない。アキちゃんが来てよ!」(134回)という心からの叫びに応えたものだったのがわかる。
アキの(本当の)初恋の相手のユイちゃんには勝てませんね、ミズタク。
ミズタクは岩手と闘っているんじゃなくて、ユイちゃんと闘っているのかもしれない。
アキちゃんを自分の手元に置いときたかったら、自分の手で磨きたいのなら、ユイちゃんごとアキを包み込まなくっちゃいけないよ、とミズタクに念を飛ばしてみたりして。
閑話休題。

「アキちゃんは何で帰ってきたの?」
「決まってるべ!
ここが一番いい所だって、ユイちゃんに教えるためだ。
一回も東京さ行ったことのないユイちゃんの代わりに東京さ行って、芸能界とかこの目で見ていろいろ経験して。
『んでも結局ここが一番いい。北三陸が一番いいぞ』って教えてやるためだ」
「本当に? 本当にここが一番いい?」
「間違いねえべ!」
「大好きなアキちゃんがそう言うなら信じようかな。
よし、決めた!
私こうなったらここから一歩も出ない。東京なんか行かない。私に会いたければ、みんな北三陸に来ればいいんだもん!ね!」
「んだ!」

ユイちゃんがトンネルを抜けるまでが「あまちゃん」の物語の帰結だと思っていたのだけれども、まだまだ読みが甘い、私。
発想の転換ですね。「私に会いたければ、みんな北三陸に来ればいい」とは。
ユイちゃん、アイドルなんか諦めたと言いながら、強烈にアイドルとしての自負は持っている。
ヒビキ一郎も言っていたものね。
「アイドルが存在する限り追いかけるのが男でしょ!」と。
自分を愛するならば、自分に会いに来いとは、究極のアイドルでしょう、ユイちゃん。
アイドルになることを諦めたのではなく、アキちゃんと競うことを避けているような気がします。

 

 
a0192209_2013161ダサい彼氏「ハゼ・ヘンドリックス」
彼氏をダサいと、表現したことにアキちゃんへのこだわりを感じます。

アイドルとヤンキーとは、両極に位置していて、ダサいの極致です。ダサいアイドルになれない代わりに、ダサいヤンキーになるという思考回路。
中庸はないのです、ユイちゃんにとって。
だってダサくないといけないから。アキちゃんと並んで歩くには、違うダサさを追求しないといけないから。
ダサい道を共に歩んでいこうという無意識のユイちゃんの願いを感じます。

94回で以上のように考察してみましたが。
ダサいアイドルは諦めて、ダサいヤンキーをやめて、ダサい彼氏を作る。
アキちゃんと共に並んで歩くには、ユイちゃんは違うダサさを追求しているのかもしれない。

 

 
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a0192209_20174854和解したかのようにも思えるけれども、ダサさで張り合っているようでもあり、どこかユイちゃんは無理しているみたい。
やっぱり、その存在がペシミスティックなアイドルであるのがユイちゃん。

 

 
■ 「あまちゃん」137回 ■
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a0192209_20215857「ただいま」と「おかえり」
生きていくうえで一番心に響く、暖かい言葉たち。
このシーンで ♪ あまちゃんオープニングテーマ ♪ 流すのは反則でしょう。
こんな軽快な曲に泣かされるなんて・・・
そして笑顔120%のストーブさん、がんばれ!(笑)

 

 
a0192209_2027131夏ばっぱ、かっけ~
もうダンディズムの極致です。
考えると、アキがユイに「一回も東京さ行ったことのないユイちゃんの代わりに東京さ行って、芸能界とかこの目で見ていろいろ経験して。『んでも結局ここが一番いい。北三陸が一番いいぞ』って教えてやるためだ」と言うのは、まるで忠兵衛さんと夏ばっぱの関係と同じ。
忠兵衛さんも夏ばっぱに似たような事言ってませんでしたか?
「海が好きなのもある。だが、あえて言うならここが良い所だっていうのを確認するためだ。夏さんは北三陸を一歩も出たことねえべ。だから代わりに世界中を旅して、いろんな国のいろんな町をこの目で見て回って、やっぱここが一番いいぞって教えてやるんだ。北三陸も東京も、おらに言わせれば日本だ」(32回)
忠兵衛さんの夏ばっぱへの「愛」ですもの。
だから、アキちゃんがユイちゃんに同じような事を言うのは、やっぱり「友情」という「愛」の一種でしょうね。

 

 
■ 「あまちゃん」138回 ■
a0192209_20304367「自然のいいところばかり利用して、自然の怖えとこ目背げて、そのうち忘れてしまう。それが人間の傲慢さだ」
夏ばっぱは言う。
そう、でも裏返して考えれば、忘却は人間のたった一つの救いでもあるのだから。傲慢さだけれども、忘却がなければ、人は苦しさのあまり生きられないかもしれない。
だから、アキちゃんが「気にすんな、って意味だべ」と言うのはある意味正しい。
明日にまなざしを向けて、自分のやることを見据えて、それに向かって進んでいく。
それしか、私たちにはできないのだから。
「これは現実だから、逆回転できないよ」と全てを悲観的に捉えてしまうユイちゃんを、やっぱり救って欲しいな。

 

 
a0192209_20362746したたかです~
このしたたかさがあるから、明日にまなざしを向けているから、「あまちゃん」というドラマが好きなのです。

 

 

■ 次週は・・・ ■

a0192209_20394438「あんたも北へ行くのね」
って、春子が「あんた」って言う人は誰?
もしかして、もしかして・・・きゃああ!
24週へ続く・・・

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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  • コメント ( 2 )

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  1. シカマル★まぴこ

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    まさかユイちゃんが、まだあのダサイ彼氏と付き合ってるとは思ってませんでした―!
    驚きももの木です。
    最近見ないから終わったもんだと思ってたのに!!!
    いや、いいんだけどもwww

    あんたが誰なのか!気になりますね。

    やっぱ・・・・!!!!!!!!!!!!!!!

    (*゚∀゚)=3 ムッハー!!

  2. moonlight-yuca

    SECRET: 0
    PASS:
    ♪シカマル★まぴこさん、コメントありがとうございます♪

    >まだあのダサイ彼氏と付き合ってるとは思ってませんでした―!
    ううう!
    やっぱり、あの「小太りの愛犬家」なのかなぁ・・・

    ハゼ・ヘンドリックスって顔が長いので、小太りとは違うかしら・・・とも思ってみるのですが。

    ユイちゃんの口から彼氏の話が出た、というのが23週で最大の驚きでした(笑)
    散々週の前半で泣いた感動の涙がどこかに行ってしまった~(爆)

    いいのか、ユイちゃんそれで?

    恋は盲目ですから・・・ね。