アイドルが存在する限り追いかけるのが男でしょ!・・・あまちゃん132回
「とうとう来たね」
「うん。とうとうって程でもねえが」
「いやいや、なかなかでしょう。1回クビになってんだもん」
「うん」
とうとう来たね、私も、そっとつぶやく。来てしまったね。
アイドルになる、女優になる、ママみたいな歌手になると、叫んでつっぱしてきたアキちゃんはとうとう目指すもの全てを手に入れようとしている。
アキちゃんとミズタクが共にのぼってきた階段の頂点が、ここなのかもしれない。
人は望みが全て叶ってしまったら、次は何をしたらいいんだろうか。
「とうとう来たね」というミズタクの顔は、どこか満足そうで、どこか不安そうで、どこか寂しそう。
鈴鹿が、スリージェイに所属すると言いだしたのも、春子が自分の分身だからかもしれない。
「あ、フフフ、私がいる」と春子を見た瞬間叫んだように、春子はもう一人の鈴鹿ひろ美なのだから。
鈴鹿ひろ美と、太巻と春子の(精神的な)三角関係は、全てを太巻が明かすことで解消されたのだから。
それまでは鈴鹿と太巻は共に暮らしながらも、どこかに春子の影がチラついていたのかもしれない。
そして、ゴーストシンガーがゴーストで無くなった瞬間に、太巻と鈴鹿の間を遮っていた影は消える。
これからは、互いに互いを見つめ合いながら、助け合いながら、また一緒に歩み出すのだろうから。
ずっと長い間、独りで、誰かに見つけてもらいたがっていた若春子も、やっと他人に受け入れられて、妄執も消える。
母の夏に「ありがとう」と自分の存在を受け入れてもらい、太巻と鈴鹿から謝罪と自分の声を返してもらった春子は、自分の人生を静かに受け入れて、そして娘に「ありがとう」と言う。
正宗とまた共に歩んでいこうとする。
あと1枚まで集めいていたカレー券は、ヒロシの東京に対する意地かもしれない。
あと1枚のところまで彼は東京で必死に生きてきたのだ。
このカレー券は、ヒロシの東京に行く人に対するエールでもあり、自分が果たせなかった夢を託す、という意味でもあるけれども。
もう閉店しているなんて・・・(苦笑)
こっそり調べているユイちゃん、そして閉店しているけれども受け取ったユイちゃん。
なんだか兄妹愛を感じました。
まめぶは「あまちゃん」において人生の象徴。
甘いもしょっぱいも入り混じって味が表現できないまめぶは、喜びと苦しみと悲しみが入り混じっている人生そのものだから。
そしてそんなまめぶを「うまい」と表現する太巻は、上手く人生を乗り切っていく人なのかもしれないなぁ。
清濁併せ呑む、ってことかしら。
アキをアイドルとしてステージにあげることができたミズタクに残された夢は、あと一つ。
仲のいいアキとユイを引き裂いたのは自分だとずっと、心の片隅で後悔していたミズタク。
87回で「ふたりを引き裂いた原因は俺だ」と語った。
ミズタクに残された仕事は、あとひとつ。
ユイちゃんをアイドルに、そしてアキちゃんと潮騒のメモリーズとして満員列車で歌わせること。
そのためにはユイを輝かせることができるのは、ハートフルの太巻にプロデュースしてもらうことが最短の道だと、そう思ったのか。
そして、とうとう来てしまう、「あの日」が。
とにかく132回は、ひたひたと時が進んでいて、滂沱の涙。
泣けて、泣けて仕方がない。
オールスター出演(花巻さんのぞく)、色々と勘ぐれそうな意味深なシーン、ワンカット挿入などありますが、もう粛々と次週視聴させていただきます。
宮藤官九郎が渾身の力を込めて書いたこの物語、関係者の皆さまが願いを込めて作られた「あまちゃん」の行きつく先を。
クドカンの「震災」への挑戦を。「笑い」への希求を。
私の持てる力全てで、「あまちゃん」が何を語りたいのか、目をそらさずに受け止められたらいいな、と思っています。
「アイドルが存在する限り追いかけるのが男でしょ!」とはかのヒビキ師匠(笑)の名言ですが、私もネットの片隅でひっそり「あまちゃん」がある限り追いかけます。
どんなに辛くても。
どんなに悲しくても。
目をそらさずに。
■ 次週は・・・ ■
第23週 「おら、みんなに会いでぇ!」
The All-Star Project
私も、皆にずっと会いでぇ!
吉田正義、栗原しおり
小田勉
足立ヒロシ(ストーブさん)
梅頭、種市浩一
ヒビキ一郎
安部小百合
黒川正宗
甲斐さん
大向大吉
鈴鹿ひろ美
荒巻太一(太巻)
足立ユイ
水口琢磨(ミズタク)
天野春子
天野夏
天野アキとGMT5
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yucaさん こんばんは
大好きな 「あまちゃん」も 残すところ あと1か月に。
今日の予告・・・胸が締め付けられそうです。
夏ばっぱ、ユイちゃん 北三陸のみんなが 心配です。
私、薬師丸ひろ子さん 大好きです。
彼女の 演じる鈴鹿さん、大好きでした。
(雰囲気的に 鈴鹿さんの出番は、今日が最後かな?)
ところで NHK「鶴瓶の家族に乾杯」ご覧になられましたか?
先週と今週と 薬師丸さんが 北海道を旅されてます。
とても お茶目で 可愛いです。
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ひたひたと迫っていく時間を小刻みに観せられるだけで怖くなります
ついに「あの日」の「あの時」がやってくるのですね
yuca様が再三書かれている、アキのもつ『空き』という意味が
とてつもなく奥深くなってきました
来週、私は観ていられるんだろうか(やっぱり観てしまいますが・・)
あの日、色々な場所で色々な人が感じた気持ちを考え出すと
止まらなくなりそうです
クドカンが今なぜこの物語を書いているのか、私も観ようと思います
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♪むうさん、コメントありがとうございます♪
>今日の予告・・・胸が締め付けられそうです
はい。
予告で見る限り23週は2011年夏まで進むのですね。
もう、ずっとドキドキしています。
ユイちゃんが、あの日、あの時間、東京に向かうなんて・・・
大吉さんといっしょなので、きっと彼が守ってくれるはず。
と信じています。
>NHK「鶴瓶の家族に乾杯」ご覧になられましたか
観ました。あべかわもち(爆)
鈴鹿さんより天然でチャーミングな素顔でしたね。
クドカンはあてがきをするので、鈴鹿さんはやっぱり薬師丸ひろ子さんのエッセンスを抽出したキャラクターなんでしょうね。
とにかく薬師丸ひろ子、圧巻ですね。
「セーラー服」の頃は本当に、アイドル人気がすごかったですけれども。
初日に映画館に行って、ものすごく並んでいたのを思いまだします。
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♪ IVYさん、コメントありがとうございます♪
水口が「とうとう来たね」と言うのが、「あの日が来たね」に聞こえて、胸がイタイ。
>来週、私は観ていられるんだろうか
震災を題材にした映画や本を、いくつも観たり読んだりしました。
あのリアルの前には、どんなストーリーを持ってきても、太刀打ちできない、と感じています。
だって、リアルだから。受けとめられないくらいの、現実だから。真実だから。
荒廃した風景とごうごうと響く風の音が、もうそれだけで、1本のノンフィクション。
あえて「物語の力」なんて付け加えなくても、私たちは現実の前にはひれ伏していますもの。
それを、クドカンがどう挑戦するのか。
彼が半年かけて紡いできた「あまちゃん」の最大の山場です。
しっかり観ましょうね、目をそむけずに。
そう思います。