優しい忘却・・・優しい男10話まで

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韓国ドラマ「世界のどこにもいない優しい男」10話まで視聴。

 

 

愛は錯覚なんだよなぁ、と感じる10話まで。
相手がこうであって欲しいという願望をいつしか、相手にかぶせて、その男を愛するのかもしれない。
自分を命がけで助けてくれるマル、「マル、助けて」と電話をすれば、駆けつけて自分を地獄から救ってくれるマル。彼はそうに違いない・・・と女たちは、自分の幻想を通してマルを愛するのか。
「優しい男」では、ヒロインたちの身勝手さ、エキセントリックさ、愛を欲する孤独な心というのは、痛いほど伝わってくるのだけれども、では、マルが一体何を手に入れたいのか・・・という、彼の素顔がなかなか見えてこない。
だからこそ、ヒロインや視聴者たちは、彼の真実が見たくって、彼の本心が知りたくって、マルを凝視し続けるのか。

 

 
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少年、大学生、医者の卵、ツバメ、バーテンダー、詐欺師・・・と、マルの属性も七変化していくのだが、彼の心もまたカレイドスコープのように、瞬間瞬間で変化して、私を魅了する。
世の中で言う、ジゴロとは・・・その心が欲しくって、彼の真実が見たくって、女たちが勝手に熱狂していくような、心が読めない男のことを言うのだろうなぁ、と思っていたのだが、まさにマルの本心を知りたくって知りたくって、私たちは「優しい男」を視聴していくのだろう。その意味ではマルは、やっぱりLe Gigoloでしょう。
このドラマ、何かに似ている・・・と煩悶し、思い出しました。
一条ゆかりの「砂の城」に。年上の女、美少年、わがままな令嬢の三角関係、事故、記憶喪失。女たちは愛を暴走させ、男はただ、それを見守るしかない、自分の無力を噛みしめながら。
愛を突き詰めていくと狂気になる、というプロットで繰り広げられる少女マンガのメロドラマの傑作。
「皮肉なものね、安全な所では作れなくって作れる所では波がさらってこわすなんて。
まるで・・・人生を作っているみたいね。
人生なんて砂の城のようなものかもしれないわね。
作っても作ってもいつの間にか波がさらってしまう。いつも同じ事のくりかえし・・・。
誰もが・・・そうして年をとっていくのかしら」
というセリフの陰鬱さ。これを当時の小学生たちは愛読していたのですもの~
「世界のどこにもいない優しい男」は、古き良き少女マンガの世界を体現しようとしているドラマでもあると思うのです。

a0192209_17491774ジェヒヌナの多面性を表すワンカット。いや、ジェヒヌナ、見事なまでにオポチュニスト。利用できるものは何でも利用する、色仕掛けで迫る、だめなら恐喝する。すがすがしい! あっぱれです。ジェヒヌナを、「嫌だわ~」と思いながらも、どこかで彼女がどこまで墜ちていくか、見つづけたい気分になる私はマニアックでしょうか、やっぱり。

 

 

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ジェヒヌナは、少女時代の優しい思い出すら、のしあがる手段にしてしまうという、その潔さ。その彼女の計算高さが、愛おしい。しかしやっぱり、何もかも手に入れようとする人間は、何も手に入らなかったりするのが人生なので、彼女の行きつく先を見届けたい。

 

 
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ウンギに対するマルの気持ちの変化が、わかるようで、わからなくて、ドキドキしながら7~10話まで視聴してきたのだけれども、9話おいて劇的に二人の関係性が変化しました。
ヤマアラシのようにとげとげしかったウンギの魂は、なんて無垢で柔らかくて、一途だったんだろうか。
マルも見抜けなかったに違いない。命をかけて、ウンギの大切なものを守ったあの瞬間、茨の城のお姫様は目覚めたのよね、愛に。
自分の鎧を脱ぎ棄てて、ただ一途に、マルにその愛をほとばしらせていくウンギ。
恋愛ゲームには長けているマルだが、真実の愛に(ジェヒヌナとの)破れて以来、どこか投げやりな人生だったマルは、ウンギの一直線に自分に向かっていく愛に、怯え、拒否し、しかしどうしても惹かれていったんだろうな。
海辺でジェヒヌナとの愛を語ったマル、初めて真実をウンギに打ち明けた瞬間、マルの心の扉がウンギに開いたのです。このシーンが美しくて、涙が出る。
ウンギもマルの固いガードを解き放ったのよ、その後、いかにマルが露悪的に振る舞おうとも、マルはウンギを完全に忘れ去ることはできないでしょうし、愛していくのじゃないかな。
その愛はジェヒへの愛とは、また違うカタチであるに違いないけど。

 

 

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この瞬間、マルはウンギの愛を受け止めたのだと思います。
ウンギもまた、マルの運命の女になったんだろうなぁ。
だからこそ、この事故以降、マルは「魂を売ったような」人生を送るようになる。ジェヒとの破局は「体を売った人生」を過ごし、ウンギを失ってからは「魂を売る」のだ。それは緩慢な自殺のような生き方で、胸が痛い。
そして、ウンギに訪れた優しい忘却。この忘却はマルにとっては、吉なのか凶なのか。

 

 
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運命の曲がり角・・・文字通り、そして運命の女神に彼は、また再会するのだ。

 

 

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ウンギを抱くマルのまなざしも変化してきて。それまでは彼女を抱きながらも、世界と対峙してきた彼だが・・・世界と闘うためにウンギを利用してきたのだが、ウンギを世界から守るまなざしに変化してきた。
そんなマルに萌え萌え。

 

 
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愛は追いかけることだとも、思っているのですが、マルはウンギを何度追いかけていくのでしょうか。
崖の上から落ちそうなウンギを引きとめるために。
ウンギとは共に崖を墜ちる悦楽じゃなくて、共に崖の上で踏みとどまる、そんなマルの愛を見てみたい。

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