kill me, with love・・・愛なんていらねえよ9

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「愛なんていらねえよ、夏」LAST9再視聴。
【あらすじ】
歌舞伎町でホストをやっていたレイジは、客の女性が犯した横領に関わっているとして警察に逮捕される。数ヵ月後出所したレイジに待っていたものは、七億三千万という多額の借金と仲間の裏切り。借金を返すことが出来なければ、レイジは死ぬことになる。途方にくれるレイジの前に真壁恭一と名乗る弁護士が現れる。鎌倉に豪邸を構える令嬢・鷹園亜子の、生き別れた兄を探してやって来たのであった。レイジは彼女の財産で借金を返済しようと企み、亜子の兄として鷹園家に乗り込む。女性をだますことを仕事にしてきたようなレイジにとって、小娘一人を丸め込むなどたやすいことに思えたが、そこにいたのは心をかたくなに閉ざした盲目の少女だった。


 
序盤では、レイジの、見事なまでの観察力、ウソをつく能力それに対する反射神経をまざまざと見せつけられる。彼は口先一つで、亜子の兄へとなりすます。
まず、そこで彼が繰り広げる、ウソとハッタリにただただ呆然。
限りなく亜子を思っているかのような発言は、全てウソなのだから。
面白いのは、「見えないものは信じない。見えないものはウソだから」と言う亜子と、金しか信じない、あとは全てウソだから・・・と思っているレイジが、ベクトルは違うけれども、限りなく根底は似通っているのよね。
「見えないものは信じない」ということで。
「見えないもの」=記憶ですら重要でないと、亜子は言う。それはニセモノの兄であるレイジには好都合。
彼女は、人の気持ちも信じない、見えないから。
レイジはもちろん、何も信じない人生を送ってきたのは、一目瞭然。
この2人が、決して目に見えないもの=愛、に囚われていく過程が、ものすごくスリリングなのよ。

 
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「亜子、聞こえるか? 人生で、一番大事なものはね、金なんかじゃ、買えないよ。金と心を、同じ天秤にかけるな。…人の心も、…おまえの心もだ」
と言うレイジが、奈留(藤原竜也)に
「ながーい階段とかさ、断崖絶壁とか、…落ちたら、死にそうなところ」「だってねぇ、ひねくれ女あれしてさあ、ねえ仲良く遺産折半してもね、7億3000万にはなんないでしょ。ねぇ、実印家捜しして、金全部だましとるか、もしくは、死んでもらうしかないでしょ」
と言う、この矛盾。
レイジの亜子を思って囁くウソの言葉の数々が、いつしか真実の気持ちになっている、その瞬間はいつなのだろうか。

 
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「愛なんていらねえよ、夏」は色々映像に凝っていてうっとりするのですが。
当時かなり斬新だった、登場人物の顔のクローズアップ・・・顔をフルショットで撮るのではなく、半分切れたようにとるその手法にびっくりしたものだわ。
タイトルロールの映像もかなり凝っていて。
目の見えない亜子から見えるレイジの顔が出てくるのですが、これが亜子のレイジへの感情の動きと一緒になっているのよね。
レイジへ心が開いてくると、だんだんレイジの顔が見えてくるという。
1~2話では、まだ、レイジの顔は暗闇の中にいます。まだ、亜子はレイジに心を開いていないから。

その時々の、私の心の琴線に触れたモノ・・・ 小説や、映画、音楽、ドラマ、ファッションについてだけの簡単な備忘録。 Everything was beautiful and nothing hurt.

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