ホワイトクリスマス

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ホワイトクリスマス 全8話 (2011年韓国KBS)
■監督:キム・ヨンス
■脚本:パク・ヨンソン
■キャスト
キム・サンギョン(ヨハン)
ペク・ソンヒョン(ムヨル)
キム・ヨングァン(ヨンジェ)
イ・スヒョク(ユンス)
クァク・ジョンウク(ガンモ)
ホン・ジョンヒョン(ジェギュ)
イ・ソム(ウンソン)
キム・ヒョンジュン(ミル)
ソンジュン (チフン)


 

 

悪魔は生まれるのだろうか
作られるのだろうか

この問いを終始投げかけていたドラマ。
青春ドラマでも、成長ドラマでも、恋愛ドラマでもないけれど、骨太の筋が通ったミステリードラマ。
ミステリーなので、人物造形も描写も、パズルの1ピースでしかないから、
登場人物の誰かに肩入れしたり、胸を痛めたりすることはない。
“北欧的ヴィジュアルドラマ“なので、俳優は皆モデル出身。時折演技が固かったり
おぼつかない時もあるけれども、それを補って余りあるカメラワーク。
何よりも脚本の構成の素晴らしさ。

「ホワイトクリスマス」1~3話までは、ややもすると冗漫で、緊張感ない場面もあるけれども、
4話以降は、息をのむ展開。たたみかけるような承転結。
16話を8話にしたことで零れおちた様々なエピソード、主にユンスのエピソードが
説明不足なので、8話のカタルシスがややインパクトに欠けるのが残念。

あ~、でも観てください。このドラマ。そんな欠点も気にならないくらいの、
本当に練られたストーリー、計算されたカメラワーク、音楽。文句なしです。

登場人物は必ず、さまざまな鏡で自分を確認する。
鏡に映し出された自分は、自分も知らないもう一人の自分。
自分の心の闇を鏡によって知らない間に映し出されている。
こういう小道具1つとっても心憎い、上手な使われ方だなぁ。

例えば1話で学園の校長が演説しているオーロラヴィジョン。
例えば3発の銃弾。
例えば劇中歌われる童謡。

数え上げれば切りがない仕掛けの一つ一つが、最終話に向けて綺麗な伏線となり、収められる。
この爽快感は、見事です。
脚本家が2年かかって、推敲に推敲を重ねたこの作品。
各話のタイトルも意味深だし、冒頭のナレーション、終わりのモノローグも
いろいろ想像させて、面白い仕掛けです。
文学的な匂いのする作品だなぁ。私にとってこの作品は、視聴後のビターな感じもよいわぁ。

Oh my God!の★★★★★です。

ネタバレなので、未視聴の方は以下回避推奨。

「悪魔」とは何か。の定義には若干疑問は残ります。
この作品では「悪魔は作られるもの」ということになるのかしら。
悪魔を作り出すために、用意周到な仕掛けを貼りめぐらせて、人間を壊していく。
8話の人間が壊れていく様子には、背筋が凍る。
そしてその原因が全て「母親」であることに、疑問を抱くよ。

韓国ドラマ特有の母と子の関係がこのドラマでも浮き彫りにされている。
登場人物たちは誰もが、母との相克に苦しみ、心が壊れていく。
いやぁ、韓国の「母性」に対する愛着と恐怖、憎悪がひしひしと感じられるのだけれども。
皆、「母親」との軋轢で、心が壊れ、「悪魔」の卵を持ってしまう。
なんだかなぁ。そんなことで心が壊れちゃ、いけないよ。

とにかく、この「ホワイトクリスマス」の脚本家パク・ヨンソン、大注目です。
次回作は「ストライク、ノックアウト」という恋愛ドラマを構想中だそうだけれども
この人の恋愛ドラマって一筋縄ではいかなそうなので、興味深々。

「またアスペルガーのチフンが恋愛したらどうなるか、興味ある」と
10ASIAで語られているが、私もそんなドラマ観てみたいです。

とにかく「ホワイトクリスマス」は私に至福の時を、与えてくれました。
感謝。

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コメント

  1. SECRET: 0
    PASS:
    yacaさん こんばんわ^^ むうです。

    このドラマ 以前から 気になっていて 
    記事 読みたいのを グッと我慢。
    昨日 見終わりました。
    4話の途中までくるまでに 何度 寝てしまったことでしょう・苦笑

    しかし 4話から 俄然 面白くなって 目が話せない
    一言一句 見逃せない状況になりました。
    そうか そういうことだったんだ!!と。

    実は 見終わった今でも まだ 釈然としなかったり
    ぼんやりしてる部分が多く もう1度 ちゃんと
    見ようと 思ってます。
    最初から見ると また 違うモノが 見えてくるかも・・・・。

    このドラマ 脚本が 恋愛時代の作家さんなんですね!!!
    驚きました。

  2. SECRET: 0
    PASS:
    むうさん、「ホワイトクリスマス」完走おめでとうございます♪

    4話あたりから、ガラッと雰囲気が変わって
    非常に面白くなりますよね~
    私も3話までは、頭の中がハテナでしたもの(笑)

    ものすごく伏線が張られていたり、
    「えーっ、あの人が敵側だったのーっ!?」と驚いたり
    でもちゃんと1話で触れられていたのよね。
    すっかり、いっぱい、騙されている自分がいます。

    韓ドラぽくないドラマで、私もまた再視聴しようと思っています。
    とにかく言葉の選び方一つ一つが好きな作品です。

    >脚本が 恋愛時代の作家さんなんですね
    脚本家のパク・ヨンソン、この作品で知って、
    私も「恋愛時代」を視聴してすっかりファンになりました。
    モノローグの使い方とか独特ですよね。

    • lotusruby
    • 2012年 4月 23日

    SECRET: 0
    PASS:
    yuca さん、完走しました。
    この面白さ、見なければわかりませんね。yuca さんがメモ片手に見入ったと語っておられるのが、よくわかります。メモを取りたくなるセリフが多いですよね。

    >北欧的ヴィジュアルドラマ
    まさしく~。あのゾクゾク感は、韓国チックではなかったですね。

    >韓国ドラマ特有の母と子の関係
    そうですよね。ココでもこのテーマか… と思ったのですが、他ドラマとはアプローチが違うところはよかったです。『赤道の男』は父と子の関係のような気がするので(まだわからないけど)、同じ監督さん(演出)作品ということで比較できるかもしれません。

    カメラワークは秀逸でしたね。『赤道の男』と似たところがあるので同じ撮影監督さんかと思ったら違っていたけど、監督さん(演出)の趣味なのかな~。

    yuca さんのイチオシ情報に感謝です。
    (>^O^)>☆

  3. SECRET: 0
    PASS:
    ♪lotusさん、コメントありがとうございます♪

    思わせぶりな演出、セリフなので、ついついメモを取っちゃいますよね。本好きな方とか、映画好きな方は、このドラマ、面白く視聴されるんじゃないかな。あの思わせぶりな数々は、こう、ミステリー好きのツボを刺戟しますよね。

    韓ドラって、lotusさんがいつも言及されるように、始めは丁寧な作りなのですが、後になるとドタバタ・・・というパターンが多いですが、この「ホワイトクリスマス」に限って言えば、最初から最後まできちんと練られて、丁寧に作られていたのが、嬉しいですよね。

    私は、このドラマを視聴して、脚本家さんに注目したのですが、監督さんも趣味がいいのね~ 「赤道の男」楽しみになってきました。

    lotusさんの素敵なレビューに、後ほどコメント書き込みさせてくださいませね!
    いつもlotusさんに素敵なドラマを教えて頂いてばかりなので、少しでもお役に立てて、ちょっぴり嬉しい、私です♪

    • choco
    • 2014年 7月 02日

    SECRET: 0
    PASS:
    yucaさん こんばんは~
    まる3年遅れての ヤッホ~~~!!ですが、聞こえてますか??

    やっと、見終わりました。
    最初は、山の中に閉じ込められた 高校生と殺人犯って・・
    こわーいスリラーサスペンスだと思わされていましたが
    ラストまで見終わると 
    単なる殺人犯から逃れようとする恐怖ではなく、
    もっと体の芯から ゾクゾクする何ともいえない恐怖のラストでした。
    最終話 親たちとヨハンのやりとり・・
    やっぱり、全員のも見たかったです。
    もっともっともっと、親も子も追い詰められてこそ~の あのラストを見たかったような 気がします。

    しかし、おすすめ頂き 感謝です。
    全く ノーチェックの作品でした。少し古いですしね。
    有難うございました。

    また、ヤッホ~~しに来ますね(@^^)/~~~

  4. SECRET: 0
    PASS:
    ♪chocoさん、ヤッホ~♪

    聞こえてます!「ホワイトクリスマス」の頂からのヤッホ~が(笑)

    >ゾクゾクする何ともいえない恐怖のラスト
    「ホワイトクリスマス」は傑作だと思っております。

    ただのサスペンスではなくって、人間の心の奥に潜んでいるドロドロしたもの、逃れられないもの、でもどこかにきらきら光るもの。
    人間の底知れなさ、深さ、そんなものを見せてくれました。
    今から3年前に視聴しているので、感想もあっさりしていますね。
    きっと今なら、もっとねちっこくブログに感想を書くにちがいありません(笑)

    >親たちとヨハンのやりとり・・
    もともと16話の構想を8話にしたとのことなので、どうしても説明不足なところもあるけれども、8話だったから緊迫した雰囲気が保てた、ということも言えますよね。

    今から見てみると、綺羅星のスターたちが出演していますよね。
    まさか、ミッチンノムのキム・ウビンが「相続者たち」で大ブレイクするなんて、思ってもみませんでした。

    なんだか私も久しぶりに、このドラマ見たくなりました!

    • 守百香廃人
    • 2016年 12月 06日

    yucaさん お久しぶりです。ここでまたコメントするとは。
    このドラマに関するブログでyucaさんのお名前を拝見 旧作ですが、訪問しました。
    12月5日からホームドラマチャンネルで放送開始。週1回なので視聴完了まで2ヶ月かかりますが、じっくり見ようと思ってます。
    放送時期とタイトルからロマンチックなラブコメかハートウォーミング系な作品かと思いきや全く予想に反した作品。学園ものでも
    なく、ちょっとサスペンス系な感じです。結末は読んでしまいましたが、じっくり考えながら、う~ん 自分と向き合いながら見る
    作品でしょうか。見るたびに感じることが変わる作品かもと期待大です。
    スベクヒャンほど嵌る作品にはなかなか出会えずにいますが、自分なりに好(高)評価な作品はあったのでこの1年も楽しいドラマ
    ライフを送れました。
    チーズ・イン・ザ・トラップ 衛劇で12月29日?から一挙放送されます。私には高評価な作品でした。原作を知らないことが良か
    ったのかも。yucaさん 確か途中休憩中だったような お時間があればぜひ。
    シグナル 放送が終了し、これからまとめて視聴しようとまだ魅力を十分に感じられていない状況です。
    W 意外に気に入っていて次が楽しみな作品 どういう結末にするのか難しい作品だと妙に心配しています。
    衛劇が25周年ということで2016年度は日本初に拘った作品が次々に登場し、新作を比較的早く見ています。しかし、評価は難しい
    ですね。韓国での視聴率や話題性どおりというのは少ないというかチャンネルのキャッチが誇張しすぎ!?
    自分の中での五つ星が見つけられたときは妙にうれしいのでドラマ視聴が止められません。来年もいい作品に出会えますように!!
    風邪・インフルエンザが流行しています。気をつけて下さいね。

  5. 守百香廃人さん、ごぶさたしております。

    今年もあと少しですね。

    「ホワイトクリスマス」は傑作です。この脚本家さんが好きなのよね。楽しんでくださいませ。
    子供たちの絶望と、悪意と未来を。

    >スベクヒャンほど嵌る作品にはなかなか出会えずにいます
    やっぱりスベクヒャンは傑作。同じ脚本家の新作が2017年登場しますので、楽しみだわ。

    今年は途中休止しているドラマが多くて・・・
    「チーズ」も「シグナル」も。
    「シグナル」も皆様の評判はいいですよね。
    来年こそはもうちょっとしっかりとドラマを楽しみたいなぁ。

    良いお年をお迎えくださいませ。

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